ろうきん SDGs Report 2023
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15● ふれんどカフェ TEL 0137-87-2283営業時間:10:30~15:30 定休日:土・日曜日、祝日(GW・お盆など一部開店日有)(左)理事長 浅野秀雄さん(右)所長 今西一憲さん「利用者さんと職員が、同じ目線でワイワイ働けるのが楽しい。それがずっとこの地域で続いていくことが、私たちの夢です」NPO法人せたな共同作業所ふれんど北海道久遠郡せたな町瀬棚区本町729番地1「ふれんどカフェ」と素材にこだわった無添加の手作りパン。完成した新しい作業所。広い土間スペースがある。りなども担う。しかし、これらの屋外の作業は、機材の保管場所や作業スペースの確保が課題となっていた。そこで、2023年2月、国や町の助成金と自己資金、そして北海道ろうきんの融資制度を利用し、現在の建物に隣接した新たな作業所を新築。屋外作業に適した広々とした土間のスペースや、利用者が作業後に使用できるシャワー室も完備した。「一般の職場では、人が仕事に合わせますが、ここでは仕事をその人に合わせる。利用者さんに話を聞き、地域の状況や売上や利益なども踏まえて試行錯誤し、常に新しい仕事を考えています」と話す今西さん。 同時に、地元の企業や組織の協力を得て、ふれんどの施設の外にも働く場を広げてきた。実際に「利用者さんの3分の1は、施設外の場所で働いている」という。 「この地域は高齢化が進み、若い人材が不足しています。地域がどう残っていくかが課題です。一方で、発達障がいなどのボーダーにいる若者の受け皿が必要とされています。ふれんどでの『福祉的就労』で向き・不向きや能力などを確認し、その後、地域の中で様々な仕事を試しながら、一緒に着地点を考える。そんなふうに、地域産業の担い手となりうる若者たちの、福祉的就労から一般就労への可能性を支えていきたいです。」ろうきんは、すべての人が安心して暮らすことのできる共生社会の実現に向けて、会員や労働者福祉に係わる団体、協同組合・NPOなどの非営利・協同セクター、自治体とのパートナーシップを大切にしています。お預かりした資金の一部は、働くことや暮らしの安心を支えるNPO法人等への融資に活用されています。世代を超えた「地域に愛されるパン」が、信用につながる 「せたな共同作業所ふれんど」は、2005年、障がいのある人に働くチャンスがない状況を変えようと、理事長の浅野さん、もともとパン作りの技術があった今西さんを中心に設立。合併前の旧・瀬棚町および社会福祉協議会と連携し、「町の調理実習室を借りて週3日パンを作ることからスタートしました。最初の利用者さんは6名。その後、分庁舎に作業所を移し、地元・せたな産の食材を使った本格的なパンの製造・販売を開始。5年後には利用者さんは20名にまで増えました。」 2011年には、町が新たに開所した「せたな町障がい者地域活動支援センター」の事業を受託。施設の一角には、せたな町唯一の喫茶店/カフェ「ふれんどカフェ」がオープンし、作業所で毎日作られる焼きたてのパンの販売や、コーヒーやジュース等の提供も行う。塩パンやコッペパンで作るサンドイッチなど、「ふれんどのパンは、おやつ代わりに手軽に食べられるパン。このパンを食べて育った世代が親になり、その子どもたちにもパンの味が受け継がれていることが、地域での信用にもつながっています」と今西さんは言う。「人に仕事を合わせる」段階的な就労の場を提供 現在は、就労支援B型作業所として、20代を中心に50代までの計40名が利用し、職員数も12名となった。利用者が増えるに従い、「その人の年齢・特性・能力に合った仕事」を増やし、空き缶・古紙の資源回収や冬の除雪、薪の販売、空き地を耕した畑作北海道久遠郡せたな町で、障がいのある人の就労の場づくりに取り組む、NPO法人「せたな共同作業所ふれんど」。豊富なアイデアで次々と新たな仕事を生み出すその取組みについて、所長の今西一憲さんに聞きました。──NPO法人 せたな共同作業所ふれんど人手不足の地域とつながり、多様な仕事を創出する意思のあるお金3 NPOとの協働PO Report 1北海道ろうきんN

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