33 読者の皆さま、『ろうきんSDGsレポート2024』へようこそ。 本レポートは、2019年3月に策定した「ろうきんSDGs行動指針」に基づく、主にこの1年間の取組みを報告するものです。 ろうきんは、戦後の経済復興期、労働組合や生協などの団体によって設立された協同組織の金融機関です。働く人の生活を生涯にわたって支える「働く人の福祉金融機関」として、働く人の課題を知る努力を重ね、社会や時代の変化にあわせた良質な金融サービスを提供してきました。こうした他国にはない独特の設立背景を持つろうきんが、地域のネットワークを活用した特色ある取組みを長年続けてきたことは、世界的にも高く評価されているところです。 私たちはいま、気候変動の問題や平和と安全への脅威、社会経済情勢の世界的な不確実性の高まりに直面し、貧困の連鎖や格差の拡大、分断や排除の動きが世界各地で見られるなど、持続可能な社会に向かっていけるかの岐路に立たされています。私たちがここで「連帯」や「包摂」の道を、多様性を認め合う「寛容」の道を選択することができるかどうか、それはまさにSDGsへと続く道です。SDGsのめざす「誰ひとり取り残さない」社会を築いていかなければなりません。 ろうきんは、働く人の生活向上というろうきんの使命を徹底追求することを通じて、SDGsの実現に向けた取組みを展開し、働く人たちの大切な資金を「意思のあるお金」として、持続可能で包摂的な社会の実現のために使うという流れをつくりだしています。また、金融機能だけでは解決できない、働くことや暮らすこと、生きがいをもって生活すること等に関わる社会的課題の解決に向け、会員・地域と協同し、すべての人が安心して暮らすことのできる共生社会の実現に貢献していきます。 一部をご紹介しますと、全国のろうきんにおいて、収入減少に直面した働く人々の生活を守る特別融資、多重債務問題への対応や非正規雇用で働く人々に対する支援、自然災害等で被災された方の生活再建を支援する融資、生活困窮者・子ども支援などの社会課題に取り組むソーシャルセクターへの支援・融資などを行っています。また、ESG投融資の一層の拡大や若年層の金融リテラシーの向上、豊かな森を育む活動などにも取り組んでいます。 そして、この資金の社会的循環を、会員の皆さまとともに、労働者福祉に関わる団体や協同組合、NPOなどの想いを共有する仲間との連携を通じて、実践していきます。 本レポートを是非ご一読いただき、率直なご意見、ご感想をお聞かせください。皆さまの声を今後の取組みに活かしてまいります。 SDGsは、私たち一人ひとりが自分事として取り組むべき課題です。誰もが主役となりうるSDGsという共通言語のもとに、「共感」の輪を社会全体に広げていく、一人ひとりの小さな一歩も合わされば、社会を変える大きな力となります。その輪のなかで、ろうきんは働く人とその家族の生涯に寄り添い、確かな役割を果たしてまいります。 本レポートが、SDGsへの理解と共感を深め、広げる一助となることを切に願っています。Top Messageトップメッセージ
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