債務整理が動き出すと催促や取立てが止みます。この時間に、多重債務に陥った原因や経緯などを振り返り、生活再建に備えましょう。裁判所を使わずに当事者間で話し合い、返済方法を決めます。裁判所などの公的機関を利用せずに貸金業者などと話し合い、利息制限法にもとづいて借金の減額などの交渉をします。一括弁済、または分割弁済もできます。ほとんどの場合、弁護士などの法律の専門家に依頼します。裁判所が債権者と債務者の間に立って、利害を調整。債務者本人が簡易裁判所に調停申立てをすると、調停委員が借り手と貸し手の間に入り、和解交渉をあっせんしてくれます。この場合も利息制限法で借金を減額、一括弁済か分割弁済を交渉します。裁判所が認可した再生計画に基づいて債務を返済。たとえば、負債が5000万円ある人が原則3年で500万円を返済する計画を立て、これが裁判所に認められて計画通りに返済が完了すると、残りの負債が免除されます。自己破産と違い、住宅を維持しながら債務整理ができる場合も。裁判所を通じて債務の支払いを免責してもらいます。他の解決法が困難なほど多額の借金を抱えてしまった場合の最後の手段。破産手続開始決定を受けただけでは借金は免除されません。免責を申立て、裁判所に認められてはじめて支払い義務がなくなります。17多重債務者はヤミ金に狙われる‼SNSやサイトに潜むヤミ金弁護士・司法書士との提携をかたる 悪質業者に注意!多重債務の4つの解決法自己破産のウソ、ホント自己破産、8人に1人は保証や肩代わりが原因と回答個人信用情報の自己開示(有料)利用者の申込みにより、契約内容や支払い状況などの信用情報を確認できる制度です。◉ 銀行カードローン インターネット・郵送で開示 一般社団法人全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター 〒100-8216 東京都千代田区丸の内1-3-1◉ 消費者金融 スマホアプリ・郵送で開示 (株)日本信用情報機構JICC https://www.jicc.co.jp 〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島1-5-30 堂島プラザビル6階 ◉ カード・クレジット インターネット・郵送で開示 (株)C I C https://www.cic.co.jp 〒160-8375 東京都新宿区西新宿1-23-7 新宿ファーストウエスト15階 必要なもの : 信用情報開示申込書(指定フォーム)、本人確認資料(氏名・生年月日・住所が確認できるもの)、手数料https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/ヤミ金融とは金融業者の登録が無く、出資法(上限金利20%)違反の高金利で貸付け、暴力的な取り立てをする悪質業者のことです。例えば「トヨン」(10日で4割、年1,460%)、「トゴ」(10日で5割、年1,825%)という途方もない高金利です。ターゲットは返済に困っている多重債務者や通常の借金ができない自己破産者、事業資金に苦しむ中小零細業者など。巧妙な手口で借り手を借金漬けにしてしまいます。事務所を持たず携帯電話だけで営業するため、「090金融」とも呼ばれます。ヤミ金は違法です。違法な利息を払う必要はありません。暴力的・脅迫的な取り立てには毅然と対応し、警察に被害届を。※登録業者かどうかは金融庁のホームページ「登録貸金業者情報検索サービス」で確認最近、SNSや掲示板サイトに紛れこむ個人間融資が増えています。実態はヤミ金です。「#お金貸します」「個人間融資」「ブラックOK」「即日融資」など甘い誘いに乗っては絶対にダメ。返済相談やカウンセリングを装って融資を持ちかけたり、ソフトな対応で正体を隠しています。「給料ファクタリング」「給料前借りサービス」は、20万円を前借りすると手数料2万円が引かれて18万円を受取ります。しかし、翌月の返済は20万円。出資法の上限を超える高金利で手数料を要求してきます。ヤミ金業者にかかると、個人情報をネタに恐喝、嫌がらせを受けるケースも。業者に個人情報を渡す前に、踏みとどまりましょう。その他の手口としては「ひととき融資」……X(旧Twitter)などのSNSや掲示板、出会い系サイトを通じてお金を貸す約束をし、性的関係を要求します。主婦や学生、他の金融機関から借りられない女性が狙われます。金利は法外で、裸の画像で恐喝する場合も。「携帯電話買取」……携帯電話を現金で買い取ると持ちかけて契約させ、携帯電話は指定業者に送らせて詐取します。手元には携帯電話の支払い義務が残ります。「クレジットカードのショッピング枠の現金化」……クレジットカードで指定の商品を購入させ、現金で安く買取ります。カード利用者にはクレジットの請求が残り、借金はかえって増えてしまいます。紹介屋、買取屋、整理屋などの悪質業者が弁護士や司法書士と提携して、多重債務の解決・相談を装って近づいてくることがあります。派手な広告も目立ち、不当な債務整理やさらなる借金を負わせるなど、多重債務者を食い物にするので要注意です。全財産なくなる? 不動産があれば処分されますが、 最低限生活に必要な家財道具は処分されません。破産手続開始決定後に得た収入は自由に使えます。就職や結婚ができない? 官報に記載されるだけで戸籍や住民票には記載されません。一般の人が官報を見ることはほとんどありません。勤務先に知られる? 裁判所が勤務先に通知することはありません(勤務先からの借入がある場合を除く)。【生活苦・低所得61.69%】 【病気・医療費23.31%】【事業資金16.13%】【失業・転職17.58%】と続く自己破産の理由に、【保証債務9.44%】【第三者の債務の肩代わり2.82%】があります。複数回答ですが、ふたつあわせた12.26%の人が保証や肩代わりが多重債務に陥った原因と答えています(2020年破産事件及び個人再生事件記録調査/日本弁護士連合会)。消費者金融会社などからいきなり借金の返済を求められたとき、連帯保証人は借り手本人と同格とみなされ、返済の義務を負います。連帯保証人には重い責任が課されるのです。どんなに親しい友人や親族の間でも、安易に 保証人にならないよう注意しましょう。選挙権もなくなる?投票も立候補もできます。公民権を失うことはありません。辞めさせられる仕事がある?弁護士、税理士、司法書士、警備員などには一定期間なれません。免責が確定すれば復権できます。もうカードは持てない?個人信用情報に5〜10年を超えない期間記録されるので、その間は新たにクレジットカードをつくったり、住宅ローンを組むことができなくなる可能性があります。免責が許可されないこともある?借金の原因が明らかにギャンブルや浪費の場合、免責されないこともあります。任意整理特定調停個人再生自己破産
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