マネートラブルにかつ!
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改訂第7版発行にあたり 『マネートラブルにかつ!』を推薦します 松迫卓男芳野友子 労働金庫(ろうきん)は、労働組合や生活協同組合の仲間が、お互いを助け合うために資金を出し合ってつくった、協同組織の福祉金融機関です。ろうきんは、はたらく仲間の金融や福祉のニーズに応え、生活を守り向上させるために、独自の金融機能を発揮して活動しています。本冊子「マネートラブルにかつ!」は、バブル崩壊後、全国のろうきんに多重債務相談が多く寄せられ、2002年に自己破産者が20万人を超えたことをきっかけに生まれました。マネートラブルの未然防止と、中央労福協が主導する「高金利引下げ運動」支援のため05年1月に初版を発行、翌06年12月には画期的と言われる「改正貸金業法」が成立しました。以来、お金を巡る幅広いトラブルの解決や啓発に向け、改訂を重ねています。また、はたらく仲間はもちろんのこと、学生など様々な方を対象に、全国各地で消費者教育・金融経済教育を実施しています。針」を策定・公表しました。SDGsのスローガンである「誰一人取り残さない」や、いわゆる「金融包摂」の考え方は、ろうきんの設立経過や理念、ビジョンと合致するものです。こうした中、ポストコロナ社会を展望し、新たに「キャッシュレス化・ICTの進展」「世代を超えた消費者被害の現状」「成年年齢の引き下げ」「多重債務問題の現状」「奨学金問題」など、知っていただきたい問題が増えたことから、最新の掲載内容で改訂第7版を発行することといたしました。本冊子を様々な場面で活用いただけると幸いです。全国労働金庫協会 副理事長 本冊子は全国の企業・学校・自治体・労働組合などで幅広く活用され、400万部以上発行されている定評ある冊子です。私たち中央労福協は75年の歴史を持ち、「すべての働く人の幸せと豊かさをめざして、連帯・協同で安心・共生の福祉社会をつくります」を理念に、労働団体と労金・こくみん共済coop・生協などの協同組合、全国47地方労福協で構成する組織です。この20年では多重債務防止へ向けた法改正を実現し、奨学金制度改善やセーフティネットの拡大など社会的課題の解決にも、社会的連帯経済を担う一員として取り組んでいます。コロナ禍で貧困・格差の問題が深刻化し、物価上昇が影響を与える中、知識不足で消費者被害に遭い、孤立や社会的排除に陥る事例も、世代を問わず生じています。消費者教育推進法では、消費者が「公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会」として「消費者市民社会」ビジョンを掲げ、政府も様々な場での消費者教育を推進しています。本冊子が消費者被害の防止をはじめ、消費者市民社会や消費者教育の具体化に活用され、マネートラブルのない社会が実現することを心より願っています。労働者福祉中央協議会(中央労福協)会長              2 19年3月、全国労働金庫協会は「ろうきんSDGs行動指

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